主な登場人物
デヴィッド
(ヒュー・グラント)
若くて独身のイギリスの新首相。
ハリー
(アラン・リックマン)
秘書に誘惑されるデサイン会社のマネジャー。
ビリー・マック
(ビル・ナイ)
クリスマス・ソングに復帰を賭けるロックンローラー。
ジェイミー
(コリン・ファース)
異国の女性と恋に落ちる作家。
カレン
(エマ・トンプソン)
夫の浮気を予感するハリーの妻。
ジュリエット
(キーラ・ナイトレイ)
夫の友人に密かに好意を寄せられている新妻。
サラ
(ローラ・リニー)
長年同僚に片思いしているアメリカ人。
ナタリー
(マルティン・マカッチョン)
デヴィッドに好かれる首相の新人秘書。
最愛の人
DVD 01:36:38
Who is it どなた?
JULIET : Oh, hi.
PETER : Who is it?
■ Who is it?
ドア越しなど、 相手の姿が見えないときに誰かを確かめる表現。 相手が不明のため、 it を使う。 返答も It's me, Juliet.(私よ、ジュリエット) のように it で受ける。 電話でも相手が名乗らないときには Who is this? と聞いたりするが、一般には、 Who's calling [speaking], please? (どちら様でしょうか?) が使われる。
ジュリエット : あら、ハイ。
ピーター 誰だい?
flip over 裏返す めくる
carol singers 聖歌隊
quid (英俗) 1ポンド
bugger off
JULIET
: It's carol singers.
PETER
: Well, give them a quid and tell them to bugger off.
bugger off
= (米) get out (of here); go away
命令文で (英) 「ずらかれ、 消え失せろ、ほっとけ」 の意味になる。
fuck off や piss off に比べて多少ソフトな印象になる。
bugger では単独では、 「嫌なこと(もの)」 「やつ野郎」 の意味があるが、恋人や友達にふざけて、愛情を込めて使う場合もある。 また、 間投詞的な 「くそ、ちくしょう」 の意味もある。 その際も Bugger! は Shit! や Fuck! よりもソフトなニュアンスを持つ。
ジュリエット : 聖歌隊よ。
ピーター
:じゃあ、 1ポンド渡してさっさと消えろって言ってやれ。
go out with ~とデートする, ~と付き合う
for now さしあたり、 今のところ
agenda 予定, 課題 問題
JULIET : Merry Christmas.
ジュリエット: メリー・クリスマス。
MARK : Enough. Enough now.
マーク
十分だ。 これでもう十分だ。
What the hell are you doing here
be supposed to 〜するはずになっている
JOE
: What the hell are you doing here?
: You're supposed to be at Elton John's.
What the hell are you doing here?
What are you doing here? The hell で強調して 「驚き」 を表した表現。
the heck はthe hellより婉曲的、the fuck はより汚い [不躾な〕 表現になる。
強意表現としては、 ほかに in the worldや on earth などもある。
be supposed to
(約束や規則、 予定などで) ~することになっている、~するはずである」、「(一般的に常識的に) ~と言われている。 信じられている」 の意味がある。
ジョー
:こんなとこでいったい何してるんだ?
:お前はエルトン・ジョンのところにいるはずじゃないか。
epiphany (直感的な) 悟りの
瞬間、閃き, キリスト教の) 顕現日
really へえ, やれやれ
as chance would have it 13然にも、 運良く, 幸いなことに
dire ひどい 悲惨な、質の悪い
chance 運,偶然, 見込み 好機
fateful 致命的な, 重大な, 運命の
cock-up (英) へま, 大失敗
(as) much as (大いに)~だけれども
it grieves me to say it
grieve 嘆く
Ten minutes at...a maypole
hefty 莫大な, 高額の
chick 若い女 [娘]
chubs o
turn out ~であることがわかる,結局~になる
the (fucking) love of one's
life
BILLY
: Yeah, well, I, I was there for a minute or two and then... then I had an epiphany.
JOE
: Really?
BILLY
: Yeah.
JOE
: Come on. Just come up. So what was this epiphany?
BILLY
: Erm, it, it was about Christmas.
JOE
: You realized it was all around.
BILLY
: No. I, I realized that Christmas is the, is the time to be with the people you love.
JOE
: Right.
BILLY
: And I realized that, as dire chance and, and, and fateful cock-up would have it, here I am, mid-fifties, and without knowing it, I've gone and spent most of my adult life with a, with a chubby employee.
: And, and much as it grieves me to say it, it, it might be that the people I love is, in fact... you.
JOE
: Well, this is a surprise.
BILLY
: Yeah.
JOE
: Ten minutes at Elton John's you're gay as a maypole.
BILLY
: No, look. I'm, I'm serious here.
: I left Elton's where there were a hefty number of half-naked chicks with their mouths open in order to hang out with you... at Christmas.
JOE
: Well, Bill...
BILLY
: It's a terrible, terrible mistake, chubs... but you turn out to be the fucking love of my life.
: And to be honest, despite all my complaining... we have had a wonderful life.
have an epiphany で 「悟る、直感的に理解する」 の意味。
really
下降調のイントネーションで発話された場合、 「そうですか」 と同意を表したりするほか、 「おいおい」 「やれやれ」 などと苛立ちや困惑を表現する場合もある。
as chance would have it
= as luck[fate][fortune] would [will] have it.
運の悪い場合にも、また皮肉としても使われる。またgood[ill] [bad] chance などとする場合もある。
it grieves me to say it
胸が痛むほど嘆かわしい残念な話を述べざるを得ないときに用いる表現。
■Ten minutes at...a maypole
p.139 でも述べた通り、 エルトン・ジョンは2014年に英国で同性婚の合法化を機にパートナーと結婚したが、それ以前も2人は2005年に施行された「シビルパートナーシップ」により、事実上婚姻関係にあった。 ジョーは同性愛者としても有名なエルトン・ジョンをジョークのネタとして使い、 ピリーもたった10分でエルトンに感化されたのかと言っている。
May Day (五月祭) に、 花などで飾り付けられたmaypole (メイポール、 五月柱)の周囲で踊る行事。 そのmaypoleの派手さをここでは比喩的にゲイのことと比較している。 cf. →p.53 gay as a picnic basket
chubs
= a chubby person
ビリーがジョーのことを親しみを込めて呼んでいる愛称。
■ the (fucking) love of one's life
= a soulmate; the one and only
〜の人生にとってかけがえのない人、 最愛の人。
ビリー
ああ、まあ、俺、俺は1分か2分はそこにいたんだが、 そしたら・・・ そしたら突然悟っちまったのさ。
ジョー
:そうかい?
ビリー
ああ。
ジョー
さあ。 まあ上がれよ。 それで、 何を悟ったって?
ビリー
その、それは、クリスマスについてなんだが。
ジョー
それが至る所にあるって気付いたんだな。
ビリー
:違う。俺は、俺はクリスマスは、愛する人といるべき時間だって悟ったわけだ。
ジョー
:そうだな。
ビリー
それにだ、悲惨な巡り合わせと、 それに、 それと致命的なへまのおかげで、俺はこの通り、 50代半ばで、 それも知らないうちに、 大人になってからの人生の大半を、 デブの従業員と過ごしてきたんだなって、気付いてしまったわけだ。
そして、こんなことを言うのも嘆かわしいが、俺が愛している人は、実は··· お前かもしれない。
ジョー
へえ、こりゃあ驚いた。
ビリー
ああ。
ジョー
エルトン・ジョンのとこに10分いたら、ゲイになっちまったってわけか。
ビリー
: いいや、なあ、俺は、俺は今、マジなんだ。
俺はものすごい数の飢えた半裸の女どもがいたエルトンのとこを出てきたんだぜ お前と過ごすために… クリスマスをな。
ジョー
ああ、 ビル・・・
ビリー
: とんでもない、 ひでえ間違いなんだが、 太っちょよ・・・ お前こそが俺の愛するやつなんだ。
それに正直言って、文句ばかり言ったとはいえ・・・
俺たちはいい人生をおくってきたぜ。
honour o
feel proud 誇りに感じる [思う]
moron ばか 愚か者
get pissed 酔っぱらう
porn ポルノ、ポルノの
JOE
: Well... thank you.
:I mean, yeah, come on, it's been an honour.
: I feel very proud.
BILLY
: Oh, look, don't, don't be a moron.
: Come on, let's get pissed and watch porn.
honour
= it's been an honor for me to have worked with you.
(英) honour (米) honor は 「名誉(なこと)、敬意」 を、 It's an honor to: I'm honored to で 「~できて光栄です」という意味。
porn
= porno: pornography.
ジョー
ああ・・・ ありがとう。
つまり、 そうだ、その、 光栄だ。
すごく誇りに思うよ。
ビリー
: おい、なあ、 あほな、 あほなこと言うなよ。
さあ、酔っ払ってポルノでも見よう。
[http://
:title]
come across 見つける。 (偶然)人に会う
Dear sir, Dear David
odd 異様な、妙な
prize 大した。 最高の、入賞の
idiot ばか 間抜け
Particularly because... O
eh (英)どう? 何だって? ひゃっ!
With love, your Natalie o
NATALIE Dear sir, Dear David, Merry Christmas and I hope you have a very happy New Year.
: I'm very sorry about the thing that happened.
: It was a very odd moment and I feel like a prize idiot.
: Particularly because... (if you can't say it at Christmas, when can you, eh?)
: I'm actually yours.
: With love, your Natalie.
Dear sir, Dear David
通常の手紙の形式は書き出し: Dear・・・.(拝啓 (前略) [親愛なる〕) 結び:Yours.... (敬具 〔早々) ) となるが、 ナタリーは書き出しから意識して“Dear David" と言い直している。
prize
prize (賞) に値するほど 「素晴らしい」の意味。 ここでは皮肉をこめ 「大した~」 の意味。
Particularly because...
I'm actually yours に続く
eh
= (米) huh
eh[huh」 は、 「何だって?」と聞き返すとき、確認のため、同意を求めるため) だよね? 、(驚いて) えーっ!」などの働きをするが、 ここでは同意を求めて、付加疑問文と同様の位置付け。
With love, your Natalie
カードには、 XXX your Natalie とある。
X は kiss を表し、Oは hug を表す。
XOXO で hugs and kisses。
ナタリー
: 拝啓、 親愛なるデイヴィッド様、 メリー・クリスマス、そして良い新年を迎えられることをお祈りします。
あの出来事についてはとても残念に思っています。
とても気まずい瞬間でしたし、 私は大バカだと感じています。
: とりわけ、それは... (もしクリスマスに言えないのなら、いつ言えますか、そうでしょう?)
私は実はあなたのものだからです。
愛を込めて、 ナタリーより。
DAVID
: Jack, yeah, I need a car. Right now. Thank you.
デイヴィッド: ジャック、 ああ、 車が要る。 今すぐ。 よろしく。
wait up 寝ずに待つ
DAVID : Oh, don't wait up.
wait up
「待つ」という動詞wait と 「起きて」という意味の副詞up (ex. I'm up now. [もう起きました] ) が組み合わさっている口語表現。
- I waited up all night, but he didn't come home. 一晩中起きて待っていたが、彼は帰ってこなかった)
デイヴィッド : ああ、起きて待ってなくていい
DAVID
: I'd like to go to Wandsworth, the dodgy end.
TERRY : Very good, sir.
デイヴィッド: ワンズワースに行きたいんだが、 ヤバイ方の外れの。
テリー
かしこまりました。
accompanied by ~に付き添われる。 ~を伴う. ~が付随して起こる
police car パトカー
accompanied by
ex A book accompanied by 2 CDs. (付属CDが2枚ついた本)
- A song accompanied by the guitar
(ギターの伴奏で歌う曲)
TERRY
: Harris Street. What number, sir?
DAVID
: Oh, God, it's the longest street in the world and I have absolutely no idea.
テリー
ハリス・ストリートです。 何番地でしょうか?
デイヴィッド : ああ、 困ったぞ、 世界一長い通りだ。 それにまったく見当もつかない。
Sorry to disturb o
in fact 実は
service 公務 官公庁の業務
try ~しようとする, ~してみる
get round o
New Year's Eve 大晦日 0
DAVID
: Hello, does Natalie live here?
WOMAN
: No.
DAVID : Right, fine, thank you. Sorry to disturb.
WOMAN
: Here, aren't... Aren't you the Minister?
DAVID : Er, yes. In fact, I am. Merry Christmas.
WOMAN : Oh.
DAVID
: Part of the service now.
: Trying to get round everyone by New Year's Eve.
Sorry to disturb
= I'm sorry to disturb you
disturb Oftbl bother interrupt tも使われる。
service
ここでは首相としての 「公務」のこと。
しかし実際は、ナタリーを探すために家々を訪ねて回っているのを怪しまれないようにと、とっさに思いついた口実である。
get round
= (米) get around
■ New Year's Eve
日本の大晦日は、それまでに大掃除と正月の飾り付けやおせちの準備を済ませ、家族で年越しをして新年を迎える、というのが一般的だが、英国や米国では家族で過ごすのはクリスマスにあたり、大晦日は友人らとパーティーをしてカウントダウンをすることが多い。 米国ではニューヨークのタイムズスクエアのカウントダウン・イベントが有名。 豪華なアーティストのライヴ・パフォーマンスもあり生中継されるが見所はなんといっても The Times Square New Year's Eve Ball Drop で、 ジョン・レノンのイマジンが生演奏されると、23時59分に降下が始まリカウントダウンとなる。 一方、 英国ロンドンではテムズ川の河畔、ロンドン・アイ (大観覧車) のもとでカウントダウンが始まり、ピッグ・ベンの鐘が零時を告げると、 大規模な花火が打ち上げられる。
デイヴィッド: こんばんは。 ナタリーさんはこちらに住んでいらっしゃいますか?
婦人
いいえ。
デイヴィッド: そうですか わかりました、ありがとうございました。 お邪魔してすみません。
婦人
あの、違うかしら・・・ あなた首相じゃありません?
デイヴィッド : あの、 はい。 実は、 そうです。 メリー・クリスマス。
婦人
まあ。
デイヴィッド: これは公務の一環です。
大晦日までにみなさんのお宅を回ろうと思って。
I suppose ~だと思う
Good King Wenceslas O
the feast of Stephen
round about そのあたりにまわりに
even 平ら, 均等に
Brightly shone the moon
that night
DAVID
: Ah. Hello. Does Natalie live here?
GIRL 1
: No, she doesn't.
DAVID
: Oh dear. OK.
GIRL 1
: Are you singing carols?
DAVID
: Er, no. No, I'm not.
GIRL 2
: Please, sir, please.
GIRL 3
: Please.
DAVID
: Well, I suppose I could.
GIRL 3
: Please.
DAVID
: All right.
GIRLS : Yay!
DAVID : (singing) Good King Wenceslas looked out
: (singing) On the feast of Stephen
DAVID/GAVIN: (singing) When the snow lay round about
: (singing) Deep and crisp and even
: (singing) Brightly shone the moon that night
Good King Wenceslas
「慈しみ深き王ウェンセスラス」 と訳されているクリスマス・キャロル。 ウェンセスラス王は、10世紀のボヘミアの君主で、貧しい人々に食べ物を施すなどの行いをした善王とされている。
the feast of Stephen
= St. Stephen's Day
聖ステファノの祝日は12月26日 英国のボクシング・デイにあたる。
Brightly shone the moon that night
The moon shone brightly that night Brightly を強調するため、倒置している。
デイヴィッド : ああ。 こんばんは。 ナタリーはここに住んでるかな?
少女1
ううん、 住んでないわ。
デイヴィッド: やれやれ。 それじゃあ。
少女1 :聖歌を歌ってるの?
デイヴィッド:あ、いやいや、違うよ。
少女2 : ねえ、 おじさん、お願い。
少女3 お願い。
デイヴィッド: まあ、 できるかもしれないかな。
少女3
お願い。
デイヴィッド: わかったよ。
少女たち
やった!
デイヴィッド: (歌って) 良き王ウェンセスラスは外を見た
: (歌って)聖ステファノの祝宴で
二人
(歌って)雪があたりに積もってい
: (歌って)深くサクサクと一面に
(歌って)煌々とその夜月は輝いた
Yes, I'm afraid I am o
cock-up (英) へま 大失敗. 大混乱
Not my fault o
DAVID
: Hello. Sorry to disturb.
: Does Natalie live here?
MIA
: No. She lives next door.
DAVID
: Ah. Brilliant.
MIA
: You're not who I think you are, are you?
DAVID
: Yes, I'm afraid I am, and I'm sorry about all the cock-ups.
: Not my fault.
: My cabinet are absolute crap.
: We hope do better next year.
: Merry Christmas to you.
Yes, I'm afraid I am.
= Yes, I'm afraid I am who you think I am.
= Yes, I'm afraid I am the Prime Minister.
I'm afraid は言い難いことを伝える時に「残念ながら」 「あいにく」と相手に配慮した言い方。
■ cock-up
= fuck-up; foul-up; balls-up
- What a cock-up! (めちゃめちゃだね)
■Not my fault.
= It's not my fault
fault は 「 (失敗などの) 責任 過失」の意味。
- It's all my fault; The fault is all mine: The fault lies with me. (全て私のせいです)
hope to do
「~することを願う」という意味で、want to do 「~したい」よりも控えめな希望というニュアンスがある。
- I hope to see you soon. (近々お目にかかりたいです)
デイヴィッド: こんばんは。お邪魔してすみません。
ナタリーさんはこちらに住んでいますか?
ミア
いいえ。 彼女は隣に住んでいます。
デイヴィッド : ああ、よかった。
ミア
あなたは、私が思っている人ではないですよね?
デイヴィッド: いいえ、あいにくそのとおりです。 そして、ヘマばかりで申し訳ないです。
僕のせいではないのですが。
内閣がまったくクズなんです。
来年は良くできることを祈っています。
: メリー・クリスマス。
DAVID : Ah. Hello. Is, er, Natalie in?
デイヴィッド:あ、 こんばんは。 ナタリーはいます?
where the fuck is my fucking coat O
auntie おばちゃん
unfortunately 運悪く、 残念ながら
David
even St Basil's, which is most... O
NATALIE Oh, where the fuck is my fucking coat? Oh. Hello.
DAVID
: Hello.
NATALIE: Erm, this is my mum and my dad and my Uncle Tony and my Auntie Glynne.
AUNTIE
: Hi.
DAVID
: Very nice to meet you.
NATALIE: And, erm... this is the Prime Minister.
MOTHER: Yes, we can see that, darling.
NATALIE: And erm, unfortunately, we're very late.
MOTHER : It's the school Christmas concert, you see, David.
DAVID : Ah.
MOTHER: It's the first time all the local schools have joined together, even St Basil's, which is most...
Where the fuck is my fucking coat?
Where my coat? と言うところを、the fuck や fucking で苛立ちや焦りを表している。
- Where the hell [heck] is my damn[darn] coat?
強調 〔不適切さの度合いはそれぞれhell > heck, damn > darn となる。
auntie
aunt のくだけた言い方。 具体的にその人物をさす時や呼びかける時は、固有名詞扱いで大文字でAuntie。 Uncle やMum や Dad なども同様。
David
娘のナタリーが首相のデイヴィッドに初めて会った時も、同じようになれなれし<ファースト・ネームで呼んでいた (p.30) ように、かなり人懐っこい 「下町らしさ」が感じられる。
I even St. Basil's, which is most...
おそらく、セント・バジル校は snobby「気取っている」 などといった、 けなす意味合いのコメントを続けるつもりだったと思われる。
ナタリー
もう、全く私のコートは、 一体どこなのよ? あら、こんばんは。
デイヴィッド: こんばんは。
ナタリー
:ええと、こちらが私の母と父とトニーおじさんとリンおばちゃんです。
叔母:どうも。
デイヴィッド: お目にかかれて大変嬉しいです。
ナタリー
そして、 その・・・ こちらは首相です。
母:ええ、見ればわかるわよ。
ナタリー
: それで、 あの、 あいにく、 私たち、すごく遅れてるんです。
母
: 学校のクリスマス・コンサートなんですよ、 デイヴィッド。
デイヴィッド: ああ。
母:地元のすべての学校が一緒に参加するのは初めてなの、あのセント・バジルでさえ・・・
perhaps ~してはどうだろう
should (2人称主語で)ぜひ~しなさい ~したほうがいい
plumpy (俗) でぶぽっちゃりした。
(be) nothing 大したことない人(物〕
it doesn't matter 大したことではない
the octopus costume's...me months
David
give someone a lift (英) 人を車で送る
NATALIE: Too much detail, Mum.
FATHER : Anyway, how can we help, sir?
DAVID
Well, I... just needed Natalie... on some state business.
MOTHER : Oh.
FATHER : Right, yes. Of course. Right, er...
AUNTIE : It's time we should...
FATHER : Well, perhaps you should come on later, Plumpy.
: Er, Natalie.
DAVID
: Well, listen. I don't want to make you late for the concert.
NATALIE No, it's nothing, really.
MOTHER: Keith'll be very disappointed.
NATALIE: No, really, it doesn't matter.
MOTHER: The octopus costume's taken me months.
: Eight is a lot of legs, David.
DAVID : Mm. Erm... Well, listen, why don't I give you a lift and then we can talk about this state business, business in the car.
NATALIE: OK.
FATHER : Lovely.
MOTHER: Lovely. Yes, thank you.
FATHER : Excellent.
plumpy
= plump; chubby
「ぼっちゃりとした、 丸々とした」という意味の愛情を込めたよびかけとして、特に女性や子供に に使われる。
fat
よりも好意的で親しみのあるニュアンスを持つ。
■ (be) nothing
it's nothingに比べ、 that's nothing.は、 けなした無礼な言い方になる。
■ it doesn't matter
= it's nothing; it's not a big deal; no worries at all; don't worry about it etc.
the octopus costume's...me months
= The octopus costume has taken me months.
take 人+期間 (to do) で あることをするために、その人が費やした時間を表す。
David (つづき)
ナタリーの母親は、ナタリーよりもはっきりと [er] を [ai] と発音している。これも Cockney の特徴の1つ。
I give someone a lift
(米) give someone a ride
ナタリー
余計なこと言いすぎよ、 ママ。
父
: それはともかく、 どういうご用件でしょう?
デイヴィッド : その、私は・・・ ちょっとナタリーが必要でして…..
国務のことで。
母
まあ。
父
:そうですね、 ええ。 もちろんです。 わかります、
ええ・・・
叔母
もう時間よ···
父
: それじゃあ、お前は後で来たらいいよ、 おデブちゃん。
いや、ナタリー。
デイヴィッド : なるほど、 いいかい 君をコンサートに遅刻させたくはない。
ナタリー
いいえ、大したことじゃありませんから、本当に。
母
キースがすごくがっかりするわ。
ナタリー
: いいえ、本当に、構いませんから。
母
タコの衣装は作るのに何ヶ月もかかったのよ。
8本なんてたくさんの足でしょう、 デイヴィッド。
デイヴィッド: ふむ。 あの・・・ そうだ、いいですか、 私があなた方をお送りするのはどうでしょう。 そうすれば私たちは国務については車の中で話せますから。
ナタリー
:そうね。
父
:いいですね。
母
: いいわね。 ええ、ありがとう。
父
素晴らしい。
squeeze into ぎゅうぎゅうに詰め込む、無理に押し込む。
OFFICER: Hold tight, everybody.
squeeze into
- With a tiny hope I tried to squeeze
myself into my old jeans. (わずかな希望を持って、 昔のジーンズに身体をねじ込もうとしてみた)
警官
しっかりつかまってください、 みなさん。
DAVID : How far is this place?
NATALIE: Just round the corner.
DAVID
: Ah, right. Well, er... I just wanted to say...
thank you for the Christmas card.
デイヴィッド その場所は遠いのかい?
ナタリー
すぐそこです。
デイヴィッド: ああ、そう。 ところで、あの・・・ 言っておきたかったことがあって・・・ クリスマス・カードをありがとう。
slink こそこそ歩く. 見つからないようにそっと出入りする
fire 暖炉 (火)
I promise (you) 本当に
all the timeずっと, いつも
I'd better not o
The last thing anyone wants
sleazy 評判の悪い安っぽい.軽い
politician 政治家
steal someone's thunder人を出し抜く, 人の手柄を横取りする。
sorry
drive away
just give me one second
NATALIE: You're welcome.
: Look, I'm so sorry about that day.
: I mean, I came into the room and he slinked towards me and there was a fire and he's the President of the United States and nothing happened, I promise.
: And I just felt like such a fool because... I think about you all the time, actually.
: And I think you're the man that I really...
KEITH
: We're here.
NATALIE
...love.
DAVID : Oh, wow. That really was just round the corner.
: Ah...Erm... Ow!
: Well, look, I... I think I'd better not come in, you know?
: The last thing anyone wants is some sleazy politician stealing the kids' thunder.
NATALIE No, please come.
: It'll be great.
DAVID
: No, I... I'd better not.
: But I will be very sorry to drive away from you.
NATALIE: Just give me one second.
fire
= fireplace
暖炉の火は、 ロマンティックな雰囲気を醸し出すとされる。 同時に情熱や燃え上がる感情の象徴でもある。
■ I promise (you )
自分の言っていることが 「本当なんだ」「断言できる」と強調するために付け加える表現。
I'd better not
「~する方が良い」という表現の否定形
「~しない方が良い」 は、 had not better ~ではなくhad better notとなる。 not が否定するのはあくまでもその後の動詞だからである。 つまりnot do~ 「~しないこと」 を推奨しているので、この語順になる。
- You had better not wake her up. (彼女を起こさない [=起こすことをしない] 方が良いわよ)
The last thing anyone wants
「誰もが望む最後のもの 〔こと〕」→「誰もが望まないもの 〔こと〕」
steal someone's thunder
= win praise for oneself by preempting someone else's attempt to impress.
thunder はここでは spotlight注目、「関心」のこと。
sorry
I'm sorryで 「ごめんなさい」という謝罪の表現は説明するまでもないが、 同じくらい頻繁に聞かれるsorryの使い方が、 ここにあるような 「残念に思う」、 「気の毒に思う」という気持ちを伝える表現である。
- I'm sorry for your loss. ( [葬儀の際に] お悔やみ申し上げます) I'm sorry to hear that you're leaving. (あなたが去ってしまうと聞いて残念です)
drive away
=drive off
(車で) その場を走り去る, 行ってしまう。
just give me one second
= just give me one[a] sec[minute][moment]
ナタリー
:どういたしまして。
その、あの日のことは本当にごめんなさい。
あの、 部屋に入ったら大統領がすっとそばに寄ってらして、それに暖炉があって。 それにアメリカの大統領ですし。 でも何もありませんでした。
本当なんです。
それに自分が何てバカなのかと感じて・・・ 実際、いつもあなたのことを考えているからなんです。
: それにあなただと思うんです。 私が本当に...
キーズ
着いた。
ナタリー
・・・愛しているのは。
デイヴィッド: ああ、わぁ。 本当にすぐそこだったね。
: ああ・・・ ええ・・・ おう!
さて、いいかい、 僕・・・ 僕は行かない方がいいんじゃないかな?
つまらない政治家が子供たちの晴れ舞台を横取りするなんて、誰も望んでいないからね。
ナタリー
:いいえ、来てください。
:そうしてくださると嬉しいです。
デイヴィッド : いや、そう・・・ しない方がいい。
でも、君の元から車で去ってしまうのはすごく残念だろうな。
ナタリー
ちょっと待っててください。
MAN
: John's been very mysterious.
: Where did you two meet?
JUDY
: Erm...
JOHN
: Erm...
JUDY
: Um...
JOHN
: Um...
■ John's been very...
recently 「最近」 やthese days 「このところ」といった言葉はないものの、現在完了を使うことで 「ここのところずっと」という最近までのジョンの様子を述べている。ジュディとのことを詳しく話さないジョンの近頃の様子を 「ミステリアス」 だと言って探りを入れている。 現在形にすると、 ジョンはつね日頃からミステリアスだという意味になる。
男
ジョンは実にミステリアスだ。
:どこで2人は会ったんだ?
ジュディ
:ええと…
ジョン
:ええと…
ジュディ
:うーん。
ジョン
うーん。
SAM
No!
ダニエルがサムの髪に触れようとする。
サム
:やめて!
Marseille
画面にはフランス語の表示で Aeroport Marseille Province とある。
come on in
backstage 舞台裏[の]), 屋(で []), 内密に[の]
I won't be long 長くはかからない
know one's way around ~の地理[事情〕に通じている。 詳しい
NATALIE : Come on in.
: We can watch from backstage.
DAVID
: OK. Terry, I won't be long.
: Look, this, um...this has to be a very secret visit, OK?
NATALIE: Don't worry. This was my school.
: I know my way around. Come on.
come on in
= Don't be shy and come in
come in よりもフレンドリーなニュアンスがある。
■I won't be long
= I'll be right back
つまり、「すぐ戻る」の意味。
ナタリー
:さあ来てください。
:舞台裏から見られます。
デイヴィッド : わかった。 テリー、 長くはならないから。
:いいかい、 これは、 あ・・・ これは全くの極秘訪問ってことでなけりゃだめなんだ、いいかい?
ナタリー
: 心配しないで。 ここは私の母校なんです。
: 勝手知った場所ですから。 行きましょう。
turn up (人が) 現れる
it's (about) time I did >
I have to tell you
never been gladder 最高に嬉しい
: Look, the sheep are ready already and you're not even... Oh, David.
DAVID
: Ah! Ah! Oh, how are you?
:Hi, guys. Hey, hey, hey, hey, hey. You all right?
: What the hell are you doing here?
DAVID
: Well, you know.......
: I always tell your secretary's secretary's secretary that these things are going on, but it never occurred to me you'd actually turn up.
DAVID
: Well, I thought it was about time I, I did.
: I just didn't want anyone to see, so I'm gonna hide somewhere and watch the show.
: Good luck, Daisy. Good luck, Bernie.
: I have to tell you, I've never been gladder to see my stupid big brother.
: Thank you.
turn up
= show up
■ it's (about) time I did
it's about time 主語 + 過去形 で、 「もう~してもいい頃だ (しかし、現実にはまだしていない)」 「もう~すべきだ(しかし現実にはまだしていない)」という内容を表す。 (実際には行われていない) 現在の事実に反することを動詞の過去形で表す 「仮定法過去形」。 time の前に about を加えると 「そろそろ ~ してもいい頃だ」 high を加えると「とっくに~している時間だ」と強める表現になる。 ちなみに、本作のリチャード・カーティス監督の監督としての最後の作品のタイトルは、 About Time 『アバウト・タイム~愛おしい時間について~」(2014)である。
I have to tell you
= I have to say[admit] [confess]
「言っておかなければ 〔認めなければ〕[白状しなければ〕 ならないのですが」と言いにくいことをいう際の前置き表現。
never been gladder
= never been happier
「今ほど嬉しかった時は過去には一度もない」→ 「今が最高に嬉しい」
カレン
: 見て、 羊はもう支度ができてるのに、 あなたたちはまだ・・・ あら、 デイヴィッド。
デイヴィッド : ああ!ああ ! おや、元気かい?
:やあ、みんな。 おい、 おい ねえ、 ちょっと、おい。 大丈夫か?
カレン
兄さん、 一体ここで何してるのよ?
デイヴィッド : あの、 ほら... 僕は…・・
カレン
: いつも兄さんの秘書の秘書の秘書にこういうことがあるって伝えてるのに、 本当に現れるなんてことは一度もなかったじゃない。
デイヴィッド : まあ、 そろそろ僕、 僕はそうする時だと思ったんだ。
: ただ、誰にも見られたくなかったから、 どこかに隠れてショーを見るつもりでね。
: 頑張れよ、 デイジー。 頑張れ、 バーニー。
カレン
: 言っておかなきゃね、 私のバカなアニキに会えてこんなに嬉しいことはないって。
:ありがとう。
now
copper (英俗) 巡査 警官
catering ケータリング, 食事の出前・配膳
watch out o
keep one's hands off ~に触れない, 手を出さない、干渉しない
showtime (映画・演劇・仕事などの) 開始時間 見せ場
see you after >
it's all right ©
DAVID
: All right.
: Oh, now. We haven't been introduced.
DAVID
: Oh, right. Well, this is Gavin.
: Oh, hello, Gavin. Sorry.
DAVID
: My copper. And this is Natalie, who's my, erm... who's my, erm, catering manager.
KAREN : Oh.
NATALIE: Hi.
KAREN : Catering manager. Watch out he keeps his hands off you.
: Twenty years ago, you'd have been just his type.
NATALIE: I'll be very careful.
: Don't try something, sir, just because it's Christmas.
: No, seriously.
: Come on. Showtime. Quickly. Look, see you after, yeah?
DAVID
: Yeah, probably. Yeah.
: Thank you, Prime Minister.
DAVID
: It's all right.
: Come on, move.
NATALIE
Come on.
DAVID
: Right.
now
ここでのように間投詞的に使うことで、「さて」 「ところで」 といった意味で話題を切り替えるときに使える。
- Now, listen to me. (さて、 聞いてくれ)
copper
= cop
police officer に対する砕けた呼び方。
語源に関しては、警官の制服にcopper(銅) のボタンが使われていたことから、との説のほか、 constable on patrol
(パトロール中の警官)を略したもの、など諸説ある。
watch out
「気をつけて」 と注意を促す表現は他にも、 Be careful. Be cautious. Look out.など。
showtime
映画や舞台の上映のみならず、 何か重要なことが始まることを告げるセリフ。
- Let's roll. It's showtime. ( さあ やってやろうじゃないか。 俺たちの出番だぜ)
see you after
see you later に比べて、後で会う確実性はやや高いニュアンスがある。
■ it's all right
ここでは、 Thank you. に対して、 「(別に) いいんですよ」 「どういたしまして」 と返す表現。
デイヴィッド: わかったよ。
カレン
:ああ、 ところで、私たち、 まだ紹介されてなかったわね。
デイヴィッド: ああ、 そうだった。 では、こちらはギャヴィン。
カレン
:まあ、こんばんは、 ギャヴィン。 失礼。
デイヴィッド: 僕担当の警官だ。 そしてこちらはナタリー、 僕の ええ・・・ 僕の、 ええと、 ケータリング担当主任だ。
カレン
:まあ。
ナタリー
:どうも。
カレン
ケータリング担当主任さんね。 彼があなたにちょっかいを出さないように気をつけてね。
20年前なら、 あなたは彼のまさにタイプだったはずよ。
ナタリー
気をつけます。
何かを企んだりしないでくださいね、 首相、 いくらクリスマスだからといって。
カレン
: いいえ、 冗談抜きで。
さあ、開演時間よ。 早く。 急いで。 それじゃあ、また後で、 よね?
デイヴィッド: ああ、 多分。 そうだね。
カレン
ありがとう、首相さん。
デイヴィッド : いいんだよ。
カレン
はやく来て。
ナタリー :さあ、行きましょう。
デイヴィッド: ああ。
assortment of ~を各種取り揃えた
coordinate 調整する まとめる
help out 手伝う, 手助けする
TEACHER: Hillier School would now like to present their chosen Christmas number.
: Lead vocals by ten-year-old Joanna Anderson, backing vocals coordinated by her mother, the great Mrs. Jean Anderson.
: Erm, some of the staff have decided to help out and for this, we ask you to forgive us. Thank you.
教師
: それでは、 ヒリアー・スクールがみんなで選んだクリスマス・ナンバーをお届けしたいと思います。
リード・ヴォーカルは10歳のジョアンナ・アンダーソン、バック・ヴォーカルは彼女のお母さん、 あの有名なジーン・アンダーソンさんがコーディネイトしてくださいました。
その、スタッフの何人かがお手伝いすることになりましたので、この点はどうぞご容赦ください。 よろしくお願い致します。
この映画の英語について
ロンドンを舞台とするイギリス英語がメインであるが、 アメリカ英語との違いがわかりやすく描写されている場面もある。 発音を中心に分析したい。
【発音】
まずは、イギリス英語の特徴として、アメリカ英語ほど母音をゆっくり長めに発音しないことが挙げられる。 Colin がアメリカ ミルウォーキーのバーに到着するシーンに注目したい。 ビールを注文して、 “Kingof beers." と言うときの beerのrの音色は響かない。 典型的なアメリカ英語であれば、 [a] (r の音色のシュワ (r-colored schwa)) が響いてrの音がはっきり聞こえるが、 イギリス英語で発音している Colin のrはアメリカ英語のrほど響かない。 これが、イギリス英語の1つの特徴である non-rhotic (母音の後の を響かせない) の発音である。 Sam の"Look at the sign on the door."(p.140 ) door の母音の後のも同様に non-rhotic の発音であり、r が響かない。 Carol-Anne を演じているElisha Cuthbert はカナダ人女優であるが、 Carol-Anne の "Hey, girls.”(p.128) のrが響く rhotic (母音のあとのr を響かせる) の発音であるのと対照的である。
次に注目したいのは、 Colin の"bottle" (同上) などの [3] の発音である。 イギリス英語では、 bottle の母音を日本語の 「お」 に近い発音[o] で発音するが、 アメリカ英語では、日本語の 「あ」 に近い [a] の音で発音する。 次に出てくる Colinの “straw" (同上) は、 イギリス英語では、 日本語の 「お」 に近い発音[o] で発音するが、 アメリカ英語では、 日本語の 「お」よりも口を開いて発音する [p] の発音である。Carol-Anne "But there's oneproblem." (p.130) の "problem" の発音はアメリカ英語の [a] に近い発音である。 それに対して Daniel の"You see, the problem is..." (p.58)や “So, what's the problem,Samuel?" (同上) の problem の発音は、イギリス英語の [5] の発音である。 David の "Did you have thiskind of problem?" (p.64) も同様である。 さらには、 "but I havedecided... not to." (p.50) の not やJuliet "I was just passing and Ithought..." (p.94) の thought の母音の発音も日本語の 「お」 に近い発音[o] で発音しており、 典型的なイギリス英語の発音である。
次に、 首脳同士の会話シーンに着目したい。 アメリカ大統領を演ずるBilly Bob Thornton の “... I haveplans and I, I plan to see themthrough." (p.78) の2つ (名詞と動詞) の plan の発音はアメリカ英語に特徴的な [æ] の発音である。 それに対して、 イギリスの首相のDavidを演ずる Hugh Grant の "handsome"“Harry Potter" (p.80) のaの発音は日本語の 「あ」 に近く、 ゆっくり長めに発音したり、やや大げさに強調をおいたりしない点がアメリカ英語の [æ] の発音とは異なる。
イントネーションにおいても、 イギリス英語の特徴が現れている。Karen を演じているイギリス人女優Emma Thompson "Can I callyou back?" (p.24) は back の前までは平板な音調で、 back の母音で上昇した後、下がる。 このように、Yes-No 疑問文で、文末が上昇調にならないことがある点もイギリス英語の特徴である。 David の “Can wemove the Japanese ambassador tofour o'clock tomorrow?" (p.86) も文末が下がる。 これらの文は疑問文の形式でありながら、 依頼表現となっている点に注意したい。 "Have yougone completely insane?" (p.84) も上昇した後に下降する。 これは、 純粋な疑問というよりも、 意見の表明を目的とした修辞疑問文 (rhetoricalquestion) として機能している。 これとは対照的に、平叙文でも文末が上昇するいわゆる up-talk になることがある点にも着目したい。 up-talk 自体はアメリカ英語にも現れるが、 イギリスの up-talkは若干パターンが異なる。 Natalie の "Right at the endof the high street, Harris Street, nearthe Queen's Head." (p.64) や "I'vejust split up with my boyfriendactually, so I'm back with my mumand dad for a while.” (同上)は、文末の音調が下がらず、 ふわりと上昇して終わる。
【語彙】
セリフで使用されている8割以上の単語が、 基本 1,000 単語以内であるため、平易であるが、 bloke(p.52), bugger off (p.142), arsehole(=asshole) (p.36) などのイギリス英語のスラングや gridlock (p.38),enigmatic (p.44), petulant (p.50),epiphany (p.144), sleazy (p.154)など難易度の高い単語もまれに含まれている。
【文構造】
1 文あたりの平均単語数は 6.1 である。 ラブコメディーの映画としては平均的な長さである。 そのため、とりわけ文の構造がわかりにくいということはないが、最も長い文はSarah を演ずるアメリカ人女優Laura Linney の次のセリフであり、49 語からなる。 “No, I, I justthought I'd ask the blunt questionin case it was the right one andyou needed someone to talk toabout it and no one had everasked you so you've never beenable to talk about it, even thoughyou might have wanted to." (p.42)この文は and で節が接続されているため、それほど複雑な構造ではない。
【コロケーション】
最もよく使われている動詞はknow である。 know は、 目的語の位置に名詞句や that 節が来るばかりではなく、目的語位置に wh節も頻繁に現れる。 “Lighting and cameraneed to know [when we're actuallygonna see the, erm, the nipples] and[when, when we're not]." (p.36), "Youknow [what I mean], Marky, befriendly." (p.68), "I don't know [whereit is]." (p.94) など。 know のこうしたさまざまな使い方にも注目したい。know の次によく使用されていた(助)動詞は have と come である。have は完了を表す助動詞としてのhave と本動詞の have があるが、 この映画の特徴としては、 イギリス英語のため、完了形がよく用いられていることが挙げられる。 "understandthat but I have decided... not to."(p.50), “These have just comethrough from the Treasury..." (p.52),“Oh, Christ, you haven't got somehorrible six-foot...” (p.56), “... wehave had a wonderful life." (p.144)など。 come に関しては、 come on(p.48) 以外にも、 come in (p.52),come through (p.52), come out (p.58),come over (p.112), come back (p.124),come up (p.144) など、さまざまな句動詞の用法に注目したい。
樗木勇作(愛知淑徳大学教授)
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