Master3’s blog

LaTeXやExcelVBAなどの作例集

LaTeX作例25(3.7.4 電子密度解析と双極子能率)

  • 量子化学に関する本を引用し、僕が書いたLaTeXの作例を紹介します
  • ポイントとしては、

    L\"{o}wdin

    ウムラウトが登場します。ドイツ語なんですね.。レフディンと読むはずです
  • プリアンブルは全部コピペして使ってるので、かなり余計なものも混ざってます。すいません
  • パッケージは基本的にデフォルトで入ってるやつが使われていると思います(たぶん)
  • ページ番号は原典と異なります
  • 『新しい量子化学―電子構造の理論入門』

    出版社 ‏ :  東京大学出版会 (1987/7/1)
  • 発売日 ‏ :  1987/7/1
  • 言語 ‏ :  日本語
  • 単行本 ‏ :  303ページ
  • ISBN-10 ‏ :  4130621114
  • ISBN-13 :  978-4130621113
  • [http://:title]

    3.7.4.tex - Google ドライブ

  • \documentclass{jsarticle}

    \usepackage{mathrsfs}

    \usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

    \usepackage{parskip}

    \usepackage{indentfirst}

    \usepackage{amsmath,amssymb}

    \usepackage{braket}

    \usepackage{otf}

     

    \usepackage{calligra}

    \usepackage{calrsfs}

    \usepackage{mathrsfs}

     

    \usepackage{bm}

    \usepackage{okumacro}

    \begin{document}

     

    \subsection*{3.7.4 電子密度解析と双極子能率}

     

    \parindent=1zw

     

    非経験的SCF計算から、1個の電子を見いだす確率をあらわしている1電子電荷密度$\rho(\bm{r})$

    $$\rho(\bm{r})=\sum_\mu\sum_\nu P_{\mu\nu}\phi_\mu(\bm{r})\phi_\nu^*(\bm{r})$$

    が得られる。電荷密度は、密度分布を視覚的に理解できるように、ふつう等高線図として描かれる。もし電荷密度のより定量的な特性が知りたくなればどうするか。そのための手段として、電荷分布の能率、つまり双極子能率、四極子能率などを計算することが挙げられる。そのほかに、化学者たちは化学的感覚に訴えるように、特定の原子にどれだけの電子が属しているかを決めたがる。前にも述べたように、このように電荷を分配する厳密な方法は存在しない。にもかかわらず、電荷密度解析は化学的理解を得る目的に対してときには有効である。こうした電子密度解析の1例として、表3.22と表3.23に、それぞれMullikenの電子密度解析とL\"{o}wdinの電子密度解析による、10電子系分子の各水素上の正味の正電荷の値を挙げておく。電気陰性度の標準的な議論に一致して、周期表を左から右に行くにつれて水素原子はより大きな正電荷を帯びてくる。しかしながら、これらの電荷の絶対値の意味についていえることはほとんどない。特に、異なる基底関数を使って計算された値を比較することは危険である。たとえば、6-31G*でCH$_4$を計算し、STO-3GでNH$_3$を計算して比較すると、アンモニアのNH結合よりもメタンのCH結合の方が極性が大きいことになってしまう。6-31G*基底関数において水素原子に$p$型分極軌道を加えて6-31G**基底関数とすると、6-31G**基底関数ではつねに6-31G*基底関数よりも多くの電子(いいかえると、より小さな正電荷)を水素がもつという結果を得る。こうした問題があるにもかかわらず、適切に使いさえすれば、電子密度解析は化学的理解を助ける有用な道具となりうるのである。

     

    COの双極子能率の計算結果が表3.24に出ている。この結果は興味深い歴史をもっている。というのは双極子能率の符号がなかなか一致しなかったからである。正しい実験結果では、負極は炭素であって、単純な電気陰性度の議論から予測される酸素ではない。最小基底関数系は正しい符号を与えてはいるけれども、より大きな基底関数では誤った符号を与えている。この困難は、2つの大きな、かつ向きが反対の寄与の打ち消し合いによって、双極子能率の大きさが小さくなっていることによって生じている。第1の寄与とは、電気陰性度の議論のとおり、より負の正味の電荷を酸素がもつということである。ところが、それに加えて、炭素の孤立電子対は結合とは逆の方向を向いている。この炭素の電荷の非対称性が、第1の寄与とは逆の向きの寄与を双極子能率に対してつけ加えているのである。小さな正の(C$^-$O$^+$)双極子を与えているこの打ち消し合いは、SCF計算では十分に再現することができない。つぎの章で見るように、理論と実験の間のこの不一致は相関効果を適切に取り入れてはじめて解消する。

     

    表3.25には、おなじみの標準基底関数系を用いて計算されたNH$_3$, H$_2$O, FHの双極子能率が出ている。6-31G*およびそれ以上の基底関数系だけが、H$_2\rm{O>FH>NH_3}$の正しい順序を再現している。Hartree-Fock極限では、双極子能率の計算値はいささか大きすぎるが、全体としての傾向はよく再現されている。6-31G**基底関数は、それによって計算された値がHartree-Fock極限における値とはまだ若干離れているので、双極子能率の精度の精度の高い計算を行うにはまだ不十分であるように思われる。

     

    \end{document}

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